クランクアップ


先日、5月から係りっきりであったドキュメンタリー映画の撮影が無事にクランクアップを向かえました。
この作品は、今は無きBOX東中野をはじめ、各地で上映された10年以上前の作品の第三弾になります。

介護保険が始まるはるか前、埼玉に老人ホームと保育園が併設されたユニークな福祉施設がありました。お年寄りやスタッフを丹念に描き、痴呆とはなにか?介護とはなにか?生きるとはなにか?を考えさせられる映画でした。

あれから10年、折りしも介護保険制度がスタートしてからも10年を迎えようとしています。
そんな中で、もう一度「生きるとはなにか?」を福祉施設の中から描き出そうと企画が立ち上がったのが今回の作品です。

それにしても楽しかった。
「楽しかった」って、言葉としておかしいんだろうけど、それでもやっぱり「楽しかった」。

実はドキュメンタリー映画の現場は3年ぶりくらい。
もともとは去年から企画が始まっていた今作品ですが、「若手天才カメラマン探してるんだけど?」という、なんとも大雑把な話が回りまわって僕のところまで回ってきたのが今年の4月。

僕にとっては願ったりな話でした。「天才」かどうかは知りませんが(笑)。

僕はドキュメンタリー映画の現場が大好きです。
だって、映画館で流す映像を現場でファインダーを覗きながら誰よりも早く観れるんですよ!しかもその映像は自分の意図で切り取れる!「僕は今これを見てるんだ!どうこれ?面白いでしょ!!」っていうのを強制的に観客となっていただける人々へ訴えかけられることが出来るんです!

こんな幸せな仕事、なかなかあったもんじゃないと思ってます。
おまけに撮影日にはおいしいビールが待っている♪(笑)

これがドキュメンタリーでなく、ドラマになるとまた変わってきます。
監督の意図、本の一行一行に書かれている世界。それをまだ自信を持って映像として提示できないんですよね。だから、「僕が見てるこの世界は面白い!だからお前らも観てくれよ!」ってわがままも言えないんですよ。

そんなことを考えながら参加した撮影打ち上げ&編集打ち入り呑み。
僕を今回の作品に誘っていただいたかつての恩師とお酒を飲み交わしていると突然
「今度、ドラマをやるんだけど大堂どうかな?」
なんですと!?ぜひ!ぜひぜひ!!やらせて下さい!!

詳しく話をきいてみると、前から話があったドラマの本がようやく最近上がってきて、具体的に動き出そうとしているとのこと。そこで撮影をどうするかという話になって、今回はドキュメンタリーとドラマのどちらも撮れるカメラマンがいいんじゃないかという話になっている。ついては俺的に大堂か、○○さんのどちらかがいいんじゃないかって思ってるんだけどさ。っていうお話でした。

帰って大至急しらべましたよ、○○さんについて。
すごい人じゃないですか!○○さん!!
ついこないだ観て脱帽させられたばかりの○○や、いまやカルト映画の代名詞となりつつある○○、さらには観たくて観たくて公開が待ち遠しい○○までも撮影してる方じゃないですか!!!
いいんですか!?そんな人と僕が比較されちゃって><
しかも自信がないって言ったばかりのドラマ作品で><

恩師曰く、
○○さんのカメラはドラマ作品なのにドキュメンタリーらしい画を撮影し、実はドラマよりもドキュメンタリーに向いているんじゃないか
対する僕は、ドキュメンタリー作品なのにドラマらしい画を撮影し、実はドキュメンタリーよりもドラマに向いてるんじゃないか
とのこと。

う〜ん、確かにそうなんですよね。
僕はドキュメンタリーでなおかつビデオ撮影なのにもかかわらず、とてもドラマっぽい切り取り方をしちゃうんですよね。
対する○○さんの映像は、、、たしかに、ドラマ作品が多いのに、どこかドキュメンタリーを匂わせる映像のような。。。それにこれまでに数本撮影されているドキュメンタリー作品はとてもうまくマッチしている。

う〜ん。。。僕は本があがったばかりだという作品に係わることができるのか!?><
むしろ○○さんについて調べているうちに、一度この人の助手についてみたいと思うようにもなってきちゃいました(笑)

閑話休題

それにしても、長いようで短かった4ヶ月。
あっという間に終わってしまいました。
まあいいさ。また次の作品で「僕が見た世界をみんなも観ろ!」って自信をもって言える仕事をするだけさ。

by daido